バロンとランダの歴史

バロンとランダの歴史

今日はバリ島のヒンドゥー教徒にとって、非常に神聖なバロンランダのことについて説明します。バロンダンスは非常に神聖なダンスであり、寺院での儀式などの聖なる日にのみ、行われます。バロンダンスは、11世紀アイルランガ王によってバリ島に持ち込まれたジャワヒンドゥー教の文化であると考えられています。しかし、文書による証拠はほとんど見つかっていない為、実際にバリ島で、バロンダンスがいつから存在したのかというのは、さらに研究が必要になります。

内容(バロンスワリという聖典によって)

シヴァ神はカイラス山という山で瞑想をしていました。その同じ時期に、天国は超能力を持っているという名の悪魔に襲われてしまいました。悪魔はとても強い超能力があるので、天国の神々は悪魔を倒すことが出来ませんでした。シヴァ神の力でしか倒せないので、ナラダと呼ばれる神様は、カマジャヤ神にカイラス山へ行き、パンチャウィヤサの矢で瞑想しているシヴァ神を起こすように命じました。

愛の矢に射られたシヴァ神は激しい愛への欲望に目覚めました。そして、シヴァ神はその愛のせいで意識を失いました。シヴァ神の心にあったのは、妻であるウマといわれる女神のことだけになってしまいます。そして、シヴァ神は、妻が地上に降りて、ドゥルガ悪魔になるという呪いを受けたことを思い出しました。シヴァ神は愛の感情に溢れていた為、妻に会いに地上に降りて行きました。妻は呪いで『ドゥルガ』悪魔という姿に変身しましたので、シヴァ神も妻に会う為に、カラ ルードラ ムルティと呼ばれる悪魔に変身しました。シヴァ神は無事に、地上に着きドゥルガ女神に出会いました。ドゥルガ女神はシヴァ神に言いました。『あなたは悪魔の姿に変身したので、私はさらに、ドゥルガムルティビラウィ悪魔に変身するね、地球の人たちにバレないようにあなたもシヴァプラジャパティ悪魔に変身してください』と言いました。

シヴァプラジャパティ悪魔とドゥルガムルティビラウィ悪魔の力が出会った為、世界は滅びていきました。その力を止めないと、この世界はどんどん破壊されてしまうので、三神一体と呼ばれる神様は地球上に降りて、シヴァプラジャパティ悪魔とドゥルガムルティビラウィ悪魔との出会いを止めました。止めるために三神一体の神様は様々な獅子舞に変身しました。ブラフマー神はバロン マチャンという獅子舞に変身して、ウィシュヌ神はバロン バンカルという獅子舞に変身します。そしてイスワラ神はバロン クトゥッという獅子舞に変身しました。

シヴァプラジャパティ悪魔『シヴァ神』とドゥルガムルティビラウィ悪魔『ドゥルガ女神』の力が結集したため、三神一体の神様は敗北しました。負けたので、三神一体の神様は一旦、天国へ戻りました。そして、天国に戻った三神一体の神様は再び、世界の滅亡を話し合い、遂に、シヴァプラジャパティ悪魔『シヴァ神』とドゥルガムルティビラウィ悪魔『ドゥルガ女神』の力を止める方法を見つけることができました。三神一体の神様はシヴァ神とドゥルガ女神の邪悪な力を止める為、再び地球に戻ります。神はブラフマー神、トペンバンというダンサーに変身して、ウィシュヌ神はテレッというダンサーに変身しました。そして、イスワラ神はダラン に変身しました。トペンバンとテレッはシヴァプラジャパティ悪魔『シヴァ神』とドゥルガムルティビラウィ悪魔『ドゥルガ女神』の前に踊り、は影芝居で宗教の話や善悪の話などを語りました。影芝居の物語でシヴァ神は無事に目覚め、本来の姿に戻りました。はシヴァ神を愛の束縛から目覚めさせることに成功しましたので、シヴァ神は感謝の気持ちとしてにシヴァ神と同じく、激しい愛の欲望に苦しむ人々浄化する力を与えました。

シヴァプラジャパティ悪魔『シヴァ神』とドゥルガムルティビラウィ悪魔『ドゥルガ女神』の出会いにより、多くの悪魔が生まれたため、シヴァ神は三神一体の神様に各村バロンランダを作るよう提案しました。バロンとランダはシヴァ神とドゥルガ女神の象徴であるため、バロンとランダの姿があると、悪魔たちはこの世界を乱すようなことは決して、しませんと言いました。この神話があるため、バリ島の村々にはバロンとランダを祀る文化が生まれるようになりました。バリヒンドゥー教の信仰の中でバロンとランダは魔除けと考えられるので、様々な寺院に祀られるようになりました。

まとめ

バロンとランダはバリ島のヒンドゥー教に関連したバリの文化芸術になります。バロンスワリという聖典によれば、バロンとランダはシヴァ神とウマ女神の別の姿であり、呪いによりドゥルガ女神と呼ばれる悪魔として地球に降り立ったとされています。そのため、バリ島の多くの村では悪い魔物による妨害を防ぐためにバロンとランダを村の守り神として使っています。バロンとランダはシヴァ神とウマ女神の象徴であるため、バリ島では非常に神聖なものとなっています。

ランダはドゥルガ女神、あるいはマイナス『-』の力の象徴になりますが、バロンはシヴァ神、あるいはプラス『+』の象徴になります。両者の力は、この宇宙に調和とバランスを生み出す上で非常に重要です。従って、バロンダンスは宇宙のバランス又は世界がバランスを取るようにマイナス力とプラスの力が出会うダンスになります。

以上、バリ島で神聖なバロンとランダのことについて、簡単に説明致しました。最後まで読んで頂き、ありがとうございます。バリ歴史ツアーでは、バリ島の伝統文化を紹介する現地ツアーをご案内しているので、遊びながらバリ島の伝統文化を感じたい場合は是非、バリ歴史ツアーへご参加、お待ちしております。

By、スアルタ

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