バリ島でガジュマルの木はどんな意味?

はじめに

皆さん、こんにちは!バリ歴史ツアーのハルミとスアルタです。今回はバリ島でよく見かける『ガジュマルの木』について書こうと思います。日本でも最近は観葉植物としても人気がありますよね。バリ島では、道の傍らや寺院の敷地の中など、とても大きく立派なガジュマルを見ることが出来ます。そのガジュマルにはサロンが巻いてあったり、神棚があったり、とても神聖な雰囲気です。バリ人にとって『ガジュマル』はどのような存在なのかをご紹介します。

バリ島ではどんな木?

インドネシア語ではガジュマルはPohon Beringin(ポホン ブリンギン)と言います。昔からバリ人はガジュマルを神聖な木としているようです。バリ島だけではなく、昔のジャワの王様でも、ガジュマルを樹齢が長いことから『永遠のシンボル』としたそうです。

ガジュマルにまつわる神話

クリシュナという神様の化身とその奥さんが天国へ遊びに行きました。天国に着いた二人は公園で遊び、楽しみました。奥さんはその公園にとてもきれいな植物が植えてあることに気づきました。家に帰ると、夫のクリシュナに言いました。『あの植物がどうしても欲しい、自分の家の庭に植えたい』と。
そして、その願いを叶えるべく、天国の神インドラ神のもとへ行き、お願いしました。しかし、インドラ神は『これは天国の植物だから、地球上には植えてはいけない』と、その植物をくれませんでした。仕方がなく、奥さんに状況を説明しましたが、奥さんもどうしてもあの植物が欲しいと聞きません。そしてまた、クリシュナはインドラ神のもとへ頼みに行きます。ですが、やはり貰えません。そこで、クリシュナはインドラ神に提案をします。『勝負をして、私が勝てば、その植物を私に渡してくれ』と言いました。そして、その戦いで勝利したクリシュナは無事にその植物を手に入れたそうです。そして、持ち帰り、地球に植えました。それがガジュマルだということです。

そのことから、バリヒンドゥー教では天国の植物とされ、今まで神聖な植物とされています。

儀式でのガジュマルの使われ方

火葬式では必ず、ガジュマルの葉っぱが使われます。なので、村ごとにガジュマルがあります。

葉っぱはお供物の一部に使われ、亡くなった人の魂が神様と一緒になることが出来ますようにという意味が込められています。

ガジュマルの葉を取る儀式

出典:https://dedotblog.wordpress.com/2010/06/03/memukur-ngangget-don-bingin/

日常でも神聖な木

ティルタエンプル寺院の前にあるガジュマル

ガジュマルの木の近くに住んでいる人たちは毎日、お供物を捧げたり、お祈りをしたりしています。

写真はガジュマルの木の下に神棚があります。

Mengening寺院

こちらはガジュマルの下から湧水が出ているMengening(メングニン)寺院です。

最後に

こんな神話があったんですね〜ガジュマルが神話に出てくるとは驚きました。なんとなく、大木というのは神聖というのはありましたが、しっかり神話まであるのは納得できますね。是非みなさんも寺院や道でガジュマルを見たら、神聖さを感じてみてくださいね。お供物を捧げていたり、お祈りをしているバリ人の姿が見れるかもしれません。

今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

By ハルミ、スアルタ

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