バリ島の伝統的な生活哲学
皆様こんにちは。バリ歴史のブログにようこそ。スーさんです。
今回はバリ島の伝統的な生活哲学Tri hita karana(トリ ヒタ カラナ)
について紹介しようと思います。
Tri hita karana(トリ ヒタ カラナ)は2012年の6月29日に
世界文化遺産として登録されました。
この哲学にはとても独特で良い教えが沢山ありますので、このテーマを選びました。
はじめ
トリヒタカラナは、バリ島での伝統的な生活哲学です。
トリヒタカラナという言葉はサンスクリット語から来ました。
この哲学はグローバル化の中で文化的で環境的多様性を維持できるというコンセプトを持っています。基本的にトリヒタカラナの教えの本質は平和を得るために、
この世界での生活における3つの人間関係になります。
その三つの関係は、
parahyangan(パラヒャンガン)
pawongan(パウォンガン)
palemahan(パレマハン)で構成されています。
Parahyangan(パラヒャンガン)とは、
人間と神との調和のとれた関係を意味します。
Pawongan(パウォンガン)とは、
人間と人間との調和のとれた関係を意味します。
Palemahan(パレマハン)とは、
人間と自然、そして周囲の環境との調和のとれた関係を意味します。
お互いにバランスの取れた方法で実行すれば、平和と繁栄が生まれます。
これら3つは相互に関連しているため、これら三つのコンセプトのいずれかが破損すると、
人と人との戦争や自然災害などの災害が発生してしまう可能性があります。
なので、これらの3つのコンセプトは全ての人間が平和に静かに暮らせるように、常に維持しなければなりません。
実際、私たちが気付かないうちに自然と環境は人間の生命の幸せや豊かさのために地球の産物を利用する自由を人間に与えてくれています。
しかし、現在の人間は貪欲さと利己心のためにそれを全て乱用しています。
このまま乱用し続けると、全自然が壊れてしまいます。
トリヒタカラナのコンセプトを適用することで、個人主義と物質主義を優先する現代の生活観の改善が出来ると期待されています。バリの人々は世代から世代へと全ての人間が平和に暮らせるように日常生活の中でトリヒタカラナのコンセプトの文化を守るように社会に教えています。
Tri hita karana(トリヒタカラナ) は三つの音節から来ています。
「tri」(トリ)とは3つという意味で、
「hita」(ヒタ)とは平和または幸福という意味です。
それから「karana」(カラナ)とは原因または理由という意味です。
つまり、tri hita karanaは平和と幸福の三つの原因を意味します。
バリヒンデュー教の全ての村にはトリヒタカラナの三つの主要素が必ずあります。
主要素は
1.「村エリア」村のエリアは人間と自然の関係の象徴。
2.「社会」社会は人間と人間の関係の象徴。
3.「聖なる場所」聖なる場所またはお寺は人間と神様の関係の象徴。
歴史
mpu kuturan(ンプ クトゥラン)という僧侶がヒンデュー教の教えと一緒に
トリヒタカラナをバリ島に伝えたと言われます。
しかし、ほとんどのバリの人々がトリヒタカラナの存在を知りませんでした。
トリヒタカラナが多くの人に知られたのは1966年の11月11日にデンパサールで開催されたバリヒンデュー闘争会議でした。
その後、トリヒタカラナは現在までバ
リの社会で広く普及しました。
トリヒタカラナは誰にでも当てはまり、バリの人々の幸せに向けた生活の基盤になります。
色々なところで使われているTri hita karana
バリ島では日本でいうJAのような組織、subak(スバック)や
漁業組合nelayan(ネラヤン)と言われるグループがあります。
そのような組織でもグループと周囲のコミュニティの進歩のために
トリヒタカラナは役立っています。
Tri hita karaのバランスが崩れたら
トリヒタカラナの関係の不整合は、人命に危険な災害を引き起こす可能性があります。
現在の科学技術の発展は、全て実用的な生活に影響を与えますが、一方では人間と自然環境にも悪影響を及ぼします。
現在の技術では、人間やほかの生き物が住む場所は、
人間の生命のためだけに絞り出されています。
自然のバランスが崩れているので、ほぼ毎年天候などは変わってしまいます。
これらの全ての問題を克服するために、自然条件のバランスを取り直す必要があります。
森林、海、山などの保全は、地球の温度が正常に戻り、人間やほかの生き物により良い生活を提供できるように、適切に戻され、維持されなければなりません。
Tri hita karanaの目的
自然は人間やほかの生き物などに生命を与える能力があります。
全ての人間が自然を適切に守ることができれば、自然は成長し続ける人間の生活も支えることができます。私たちが住んでいる地球には、非常に多くの資源と作物が豊富にあります。
例えば、石油、ガス、石炭、金、水、植物などです。
海、陸、山、砂漠でもこの世界に生きている人間やほかの生き物などの生命を支えるために、神によって、創造されました。
そのため、私たちは人間として人間やほかの生き物の生存のために存在する全てのものを守る必要があります。
終わりに
バリ島のトリヒタカラナのコンセプトはバリの祖先がバリの社会の生命やほかの生き物の豊かさや幸せのために作成したコンセプトです。全ての人間が平和と繁栄の中で生きることができるように、人間と神、人間と人間、人間と自然の関係のバランスを常に維持しなければなりません。このコンセプトには、利己心や貪欲の気持ちはありません。
今の時代は、人々は一体感よりも個人主義に関心を持っているため、トリヒタカラナのコンセプトを実現するのは難しいかもしれません。現在の人間の貪欲や利己心と失った愛は、いくつかの国々で戦争と悲惨さを引き起こし、地球の循環を破壊しました。
このトリヒタカラナの考え方はバリ島に限らずどこでも誰でも取り入れられるものだと思います。日本の皆さんも少しでもこのトリヒタカラナを取り入れてみたらいいと思います。
私のブログで皆さんのバリ島の歴史や文化の知識が増えれば、嬉しいです。
最後まで読んでくれて、ありがとうございます。
by:スーさん